米国高配当ETFと言えば【VYM】!!特徴や選ぶ上でのポイントを徹底解説

5 min 4,880 views
VYM(バンガード)

米国投資を始めたいが、どの銘柄に投資をしていいのか?

という疑問を持たれている方も多いかと思います。

そんな方のために、高配当の米国株に投資するETFであるバンガード社の【VYM】を紹介します。

【VYM】は、投資初心者からベテランまでと幅広い層におすすめできるETFです。

この記事では、

  • 【VYM】をおすすめできる人
  • 特徴と概要
  • どんなセクターに投資をしているのか
  • どんな銘柄で構成されているのか
  • 運用実績
  • 私が購入している理由

について説明していきます。

この記事を読むことで、【VYM】とはどんなETFなのかが理解できますので、ぜひご一読。

【VYM】をおすすめしたい方

【VYM】は、下記のような方におすすめです。

おすすめしたい方
  • 高配当株投資を行っている
  • 米国の幅広い企業に分散投資をしたい
  • 低コストのETFを探している
  • どの銘柄に投資をしていいか分からない

【VYM】の概要と特徴

【VYM】概要(2019年12月時点)
ETF名称(日本)バンガード米国高配当株式ETF
ETF名称(米国)Vanguard High dividend Yield ETF
ティッカーVYM
ベンチマークFTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
上場取引所NYSE Arca
純資産総額約302.21億米ドル
経費率0.06%
配当利回り2.96%
配当日年4回(3月/6月/9月/12月)
構成銘柄数400銘柄
設定日2006年11月

【VYM】はバンガード社の米国高配当株ETFです。

FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスをベンチマークとしています。

ハイディビデンド・イールド・インデックスとは、大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る大型銘柄で構成しているベンチマークです。

構成銘柄数は400銘柄と、他の米国高配当ETFである【HDV】、【VIG】、【SDY】と比べて、多くの銘柄を組み入れています。

【VYM】に投資することで幅広い銘柄に分散投資をすることになります。

配当日は3月、6月、9月、12月の年4回で、配当利回りが3.00%、経費率が0.08%となっています。

一時期、配当利回りが3.0%を切っていましたが、2018年の株価下落を受け、再び3.02%となっています。

【VYM】の特徴を一言で表すなら、米国の高配当銘柄に分散投資できるコストパフォマンスが優れたETFです。

下記記事で、【VYM】の配当金推移について紹介しています。

最近の配当金利回りの傾向などが分かるかと思いますので、ぜひご参考に。

【VYM】のセクター別の構成比率

【VYM】のセクター別の構成比率は以下のとおりです。(2019年12月時点)

セクター構成比率
金融19.0%
消費財13.9 %
ヘルスケア13.6%
テクノロジー10.4%
消費者サービス9.2%
公益8.8%
資本財8.2%
石油・ガス8.2%
通信サービス5.1%
素材3.6%

「金融」、「消費財」、「ヘルスケア」、「テクノロジー」、「資本財」、が上位5位を占めています。

上のセクターの比率にあまり差がなく、幅広いセクターで構成されています。

「ヘルスケア」、「消費財」は、好景気時に弱く不況時にも強い、ディフェンシブなセクターです。

一方で、「金融」、「テクノロジー」、「資本財」は好景気時には強いですが、不況時には弱いといった特徴があります。

つい最近まで「テクノロジー」がもっとも構成比率が大きかったですが、株価下落に伴い、構成比率も大きく下げています。

【VYM】は不況時に弱いと思われがちですが、ご覧の通り幅広いセクターで構成されているので心配いらないかと。

構成銘柄上位10位銘柄

【VYM】の構成銘柄上位10位銘柄は以下のとおりです。(2019年12月時点)

銘柄名ティッカー構成比
ジョンソンエンドジョンソンJNJ3.73%
エクソン・モービルXOM3.40%
JP・モルガン・チェースJPM3.33%
P&GPG2.57%
シスコ・システムズCSCO2.43%
ベライゾン・コミュニケーションズVZ2.43%
ファイザーPFE2.42%
インテルINTC2.40%
シェブロンCVX2.33%
AT&TT2.26%

上位10銘柄が全体の27.0%を占めています

上位銘柄には、馴染みがある世界的な大企業の名前が並んでいます。

いづれの企業も高配当かつ増配を続けているので、今後の増配にも期待できるます。

また、売買回転率13%と低く、構成銘柄、比率の動きが少ないETFです。

利回りが低くなっため、長年保有1位だったマイクロソフトが構成銘柄が2018年夏に構成銘柄から外れました。
現在は、マイクロソフトに変わり、JP・モルガン・チェースが1位となっています。

【VYM】の配当金推移

VYMの配当金推移(年度)
年度年度合計 / 配当金(ドル)年度合計 / 配当金(円)
2007年1.3570159.09
2008年1.4430145.12
2009年1.1680110.08
2010年1.091094.10
2011年1.3270105.51
2012年1.5930130.17
2013年1.7490174.05
2014年1.9080208.60
2015年2.1490259.67
2016年2.2060239.88
2017年2.4011270.11
2018年2.6492292.60

2007年の年間配当金は1.357ドルでしたが、2018年は2.6492ドルと11年間で約1.95倍になっています。

また、8年間連続増配と堅調に増配が続いています。

▼【VYM】の配当金推移と増配率についてこちらで詳しく紹介しています

運用実績とチャート

VYMのチャート

【VYM】の設立からのチャートとパフォーマンスは以下のとおりです。
(画像はETF.COMより)

2008年のリーマン・ショック時に、株価が約半値近くまで下げています。

それ以降は右肩上がりで成長を続け、2018年1月には最高値を更新しています。

しかし、そこからは下落傾向にあり、株価を下げ続けています。

米国大型株500社の指数であるS&P500、同じ米国高配当ETFである【HDV】の株価を比較してみました。

VYMのチャート比較

株価を過去5年間で、【VYM】は37.85%、S&P500は49.00%、【HDV】は29.88%となっています。

S&P500と比較すると、パフォーマンスは劣りますが、配当を考えるとあまり変わらないかと。

配当金を再投資していくことで、S&P500より良いパフォーマンスを出すことができるはずです。

【HDV】と比較すると、【VYM】のほうが優れたパフォーマンスです。

同じ高配当ETFでも、構成セクターや構成銘柄が異なるためパフォーマンスにも違いが出ています。

▼私が【VYM】を購入してからの運用実績です

楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(楽天VYM)について

楽天VYM


2018年1月に「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」が登場しました。

バンガード・グループが運用しているETFに投資対象とするインデックス型投資信託「楽天・バンガード・ファンド」シリーズの1つで楽天VTMとも呼ばれています。

【VYM】と同じ「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」がベンチマークとなっています。

一言で言えば、【VYM】が投資信託になったようなものです。

楽天VYMは、他の投資信託と同様に、円貨決済、少額購入、自動積立が可能となります。

気になるコストですが、信託報酬は0.2096%と抵コストになっています。

米国投資は敷居が高いという人にとっては、魅力的に感じる商品かもしれません。

【VYM】との最大の違いは、配当金は支払われず、再投資されることです。

【VYM】の魅力が失っているため、個人的にはあまりおすすめできない商品となります。

楽天VYMは、米国の源泉徴収10%だけが引かれて、再投資されるので税制的な面で有利だという利点もあります。

確かに、税制を考えると本家【VYM】より、リターンが良くなるはずですが、本当にそうなるのかという懸念があります。

また、現時点では実質コストが分かっておらず、コストが膨らむことも考えられます。

登場したばかりの商品であり、まだ不明瞭な点が多々あります。

これらの懸念が払拭されるまでは、しばらく様子をみることをおすすめします。

私が【VYM】を選んだ理由と【HDV】との違い

私は「インデックス銘柄を中心に長期投資」、「高配当銘柄を中心に投資を行う」を投資方針としています。

投資方針にあった米国ETFを探していた所、【VYM】とiシェアーズ・コア米国高配当株ETF【HDV】が候補に挙がりました。

【HDV】はブラックロック社から販売されている米国高配当ETFで、【VYM】と非常に似ている特徴を持っています。

【VYM】と【HDV】の主な違いは以下のとおりです

【VYM】と【HDV】の主な違い
  • 構成銘柄数が【VYM】は約400銘柄に対して【HDV】は約74銘柄
  • 配当利回りが【VYM】が約2.96%に対して【HDV】は約3.43%
  • 売買回転率が【VYM】が約13%に対して【HDV】は約49%
  • 【VYM】はテクノロジーセクター、金融の比率が高く、【HDV】は生活必需品、エネルギーセクターの比率が高い

配当利回りでは、【HDV】に軍配が上がります。

一方で、過去5年のパフォーマンスは【VYM】が53.81%、【HDV】は35.87%と、【VYM】が勝っています。

また、【VYM】は約400銘柄と【HDV】の約70銘柄を大きく上回っており、幅広い銘柄に分散投資することが可能です。

米国の幅広い銘柄に分散投資をできるインカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙えるという点から【VYM】を購入することに決めました。

正直な所、甲乙つけがたい素晴らしいETFなので好みで購入しても良いかと思います。

※2017年9月追記
現在は、【VYM】、【HDV】の2つを保有しています。

当初、同じ米国高配当ETFで、非常に似た内容のETFをどちらも保有する必要はないと考えていました。

改めて考えてみると、セクター構成が大きくなることから両方共保有することでより分散投資ができるのではと考え、【HDV】も購入することにしました。

まとめ

以上、バンガード社の米国高配当ETF【VYM】の紹介でした。

【VYM】は、分配金を再投資しながら長期保有を考えている人にお勧めのETFです。

暴落時には他の銘柄と同様に下落はしますが、リーマン・ショックを乗り越えた実績があるので安心して投資を行えるのではないでしょうか。

【VYM】を購入される方は、暴落時にも淡々と購入を続けていくという強い覚悟をもって長期保有をしましょう。

そうすれば、きっと成果を出してくれるはずです。

▼保有株となぜ保有しているかについて紹介しています

べーやん

べーやん

九州在住、会社員。会社員の傍ら、世界中を旅しています。"今"を楽しみつつ貯蓄して、年間貯金額400万円を達成。 当ブログでは、資産運用、株主優待、生活、買ったものなどについて紹介しています。

FOLLOW

カテゴリー:
おすすめの投資本

おすすめのお金・投資本

第1位:ウォール街のランダム・ウォーカー
1973年に出版されてから世界中の投資家から読まれている超ベストセラーの名著です。私も米国投資を始める際にこの著書を参考にしました。


第2位:私の財産告白
明治時代に巨万の富を築いた本多静六によって書かれたお金に関する人生訓本です。一昔前に書かれた本ですが今の時代でも役に立つことが書かれています。資産形成をするのならぜひとも呼んでおきたい一冊。


第3位:みんなが欲しかった! FPの教科書 3級
お金全般について学びたいのならこの1冊!!フィナンシャル・プランナーの教科書ということもあり、様々な金融分野の基礎知識を学ぶことができます。全ページカラーでイラストも豊富なので、読みやすくイメージがわきやすいところもGOODです

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です